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とびだせどうぶつの森の話68(2013/3/15) 



~前回までのあらすじ~

本来居合い術は、敵の強襲に対して納刀状態から即座に斬撃に移るための技術であり
抜刀済みかつ臨戦状態から繰り出すような手段ではない。
しかしハムカツは力の扱いに不慣れであり、
特に炎を一箇所に留めておくという事が特に苦手だった。
そんな彼の欠点を補うのがこの居合い術だった。

彼の持ち技の一つである
超絶熱波極大豪炎消滅波光暗黒乖離紅蓮鳳凰次元終焉星乱遥遠超越深淵業火撃滅斬は
全力で発現させた自らの炎を武器に付与し、力任せに叩き斬るというお気に入りの技だ。
これはハムカツが並外れたを持つために可能な技で
他の者がこのような無計画に力を使えばすぐにガス欠に陥る。

つまり膨大な炎を垂れ流すのではなく
他者のようにうまく纏め上げる事ができればどれほどの威力になるのか。
そこで無理矢理力を押し留める役目を補うのが彼が刀と同時に具現化する鞘だ。
納刀した状態の刀に爆発的な力を送り込む。
本来ならば掛け捨て型の医療保険の様である彼の炎が、鞘の中で圧縮される。
鞘を保てるギリギリの状態までそれを続け、限界地点で解き放ち相手にぶつける。
放たれた灼熱の剣閃は全てを両断し、燃やし尽くす。

ハムカツ流、弐の焔、絶炎は爆熱のワタナベを両断し燃やした。
燃え尽きて行く彼女を見つめその行く末を見つめていた彼の背に声が届く。

「何・・これ・・燃えているの?人が?」

蛙のチョキは炎に近づく。
動揺する豚の横をすり抜けるように歩く。
同じように狼狽していたチョキだったが、
その足取りは歩を進めるごとに疑問は確信に変わる。
例え炎に巻かれていようが関係ない。
あの時から長い長い時間を過ごしてきた彼女を見間違うわけがない。

「爆熱のワタナベ、あなたまたハムカツ様に挑んだの?」

燃え盛る女にチョキは語りかけた。
短い沈黙。
観念した様に炎の中の彼女は言葉を返してきた。

「チョキ様・・・私はあなたに隠し事をしていました。あの豚への殺意です」
「知ってるわ」

今更ね。だってこの前私の前で殺そうとしてたわよ。
あの後、割と本格的に彼女を叱り付けた。
罰として尻を叩いた。
彼女は言い訳をせず、それを受け入れた。
だから相当長い時間叩いた。
ちょっとしたロックバンドの一回のライブくらい叩いた。
最後の方は目的を忘れて、天才ドラマーの気分でただひたすらに叩いていた所を
他の取り巻きの女子達に押え付けられた。
その時に気が付くべきだった。
それくらいでは彼女は止まらない。
尻は腫れ上がっていたが、同じように目も曇りなく晴れ上がっていたではないか。

「この前も、今日も私を思っての行動でしょ?」

チョキはもう叱ったりしない。
これは自分の落ち度だ。

「キエ・・・」

彼女は情けない呻き声を上げる。
叱り付けてくれた方が楽だったのだろう。
チョキはただ諭すように言う。

「女は、秘密があるほうが魅力的なのよ」

やっとわかった。
あなたは引っ込み事案で私がそれを引っ張って。
私もあなたもそれで満足しているつもりだったけど
きっとそんな関係じゃ駄目だった。

「きええ・・・」

いつから私は傲慢になっていたんだろう。
不器用な彼女を正しく導いてやれなかった自分が一番罪深い。
いつからそんな風に考えるようになっていたのか。
もしかしたら最初から何もかも間違っていたかもしれない。

「もう・・。知ってる?あなた口臭が酷いのよ」
「キエ!?」

何が偉人をもっと知りたいだ。
私はただ有能な生物を自分に従順な人間にしてしまいたかっただけではないのか?
この子を変えたのは私だ。
この子を追い詰めてしまったのも私だ。

「ほら、私もあなたへの隠し事してた。伝えたかったのに黙っていた。おあいこよ」
「チョキさま・・」

私は馬鹿だ。
付いて来いなんて言葉は相応しくなかった。
私の願いはそんな事じゃなかった。
もっともっとただただ単純だった。

「これからは私に直接言いなさい」

もう一度やり直そう。
許されるなら、もう一度最初から。

「・・チョキ様は男の趣味が悪いです!」

彼女がやっと私に伝える。
そのままの言葉を私にぶつけてくれる。
それがうれしかった。

「あと皮膚がヌメヌメしているし、なんか体も臭」

「言いすぎよ!」

すごく長く続きそうだったので遮った。
いつの間にか怪物を覆っていた炎が消え、そこには晴れやかな少女が居た。
ずっと見慣れてきたはずなのに、初めて会ったあの日の様だった。
あぁ、そうか。
私たちはこれだけ長い時間を過ごしていたのに
お互いに心から見せた事のなかった顔をしているんだ。
あなたの笑顔。
本当に綺麗ね。

「強かったでしょ、私が好きになったひと」
「キエエ」

ねぇ、爆熱のワタナベ。
私と友達になってくれる?



「あれはお前の差し金か、ジュリー?」

ハムカツが具現した刀が花火の最後のように儚げに消え去った。

「その辺をウロウロしていたから避難させただけさ」

打開策を模索していたジュリーはアトラクションで事故があったとのアナウンスで
混乱して逃げ惑う来援客の中にチョキを見つけた。
彼女はいつも通り、息をするようにハムカツをストーキングしていたのだが
そんな事は関係なかった。
もしかしたら、救えるかもしれない。
祈るような思いで彼女をここに連れて来た。
爆熱のワタナベを救いたい。

「それより君こそ、彼女を殺すんじゃなかったのかい?」

「今日は焔の調子が良くなかった」

そう思っていたのはジュリーだけではなかったようだ。


「そうかい。まぁ、これで一件落着かな?」

馬は笑って言う。
豚も笑って言う。

「ああそ・・」

突如ハムカツの腹を何者かの腕が貫く。

「豚くん!?」

勝利を確信した瞬間に最も大きな隙が生まれる。
最後の最期まで気を抜くな。
先代の言葉が脳内で響く。
臨戦態勢になったジュリーが力を解放しようとしたその瞬間
崩れ落ちるハムカツの後ろに、手を赤く染めた羊が居た。

「スイーツはぁ?」

メリヤスは冷徹に言い放つ。
ハムカツの腹を貫いたその技は、親友のミカに伝授された護身術。
素手で内臓を引きずり出すあの技だった。

「あ・・・今すぐ買って・・来ます」

ゆっくりと立ち上がるハムカツ。
臓器は飛び出たままだ。
彼はそれを少しずつ直しながらも、未だ飛び出た多くを引きずって歩いていく。
君が見据えるその先に何があるというのか?
ジュリーには全く理解できなかった。

「やれやれ、爆熱のワタナベさんは見る目があった。確かに彼は家畜だったよ、恋のね」

ジュリーがそう言って両の手のひらを向けた先の空は蒼く、雲ひとつない快晴。
今回の戦いでハムカツパークが受けた被害は数億円。
今日も世界は何かを失って、何かを得る。





羊「えーそうなんですかぁ、行ってみたいですぅ」
馬「じゃあ今度一緒に行こうか」

談笑する馬と羊を追う2匹と1人。

豚「俺のときと全然違う・・・」
蛙「あの子・・ジュリー様まで・・」
爆「キエエ」


豚「なんでメリヤスはデレデレしてるの?俺なんか内臓抉られるんだよ!」
蛙「それは・・・ジュリー様はB4でも1番人気だし・・」
豚「え?俺じゃないの?」
蛙「ハムカツ様は、最下位です」
豚「うそ!?」


蛙「人気指数を大まかに言うと、ジュリー様が40
ヤマト様が30、しょうたろう様が29、ハムカツ様が1です」
豚「1!?」
蛙「1は私です。この子もこの間からジュリー様」
爆「キエエ!」


豚「お前ふざけんなよ!誰が助けたと思ってんだ」
爆「キエエ!」
蛙「そういう雑なところが本当にキツいって言ってます」
爆「キエエ」
蛙「お前は雑に刀振り回してただけだろ、って言ってます」



爆「キエエ!」
蛙「私が助かったのは、ジュリー様がチョキ様を連れてきてくれたからだ、って言ってます」
豚「酷い・・・」
蛙「大丈夫です。私はハムカツ様の味方ですよ。」
豚「うん・・ありがとう」


-数時間前

馬「失踪事件?」
鰐「短い期間でかなりの人数です。これはおそらく」
馬「LOVE PHANTOMの仕業、か。それで僕に見てこいと」
鰐「目星はついています」


鰐「性別も職業もバラバラな被害者達ですが、ほとんどの者がある男と接点があります」
馬「そこまでわかっているなら話は早いね」
鰐「これが資料です」
馬「ところでヤマト」


馬「また話し方変えた?」
鰐「・・・」
馬「元の方言丸出しの方が僕は好きだな」
鰐「・・・」
馬「まぁ、いいけどさ。肩の力を抜いてやりなよ。じゃあ僕は行くね」

馬は窓を開け放ち天高く飛んだ。


-とある街

馬「さてターゲットの家は・・あれ?」

馬の視線の先に、大量のスイーツを買い込む羊がいた。

馬「やぁ、メリヤスちゃん」
羊「なんだぁ?チッ、豚の仲間かぁ・・・」



豚「メリヤスに悪い虫が付かないように今日も見張っていたら、
ジュリーが来やがった。よし、俺にするみたいに肩関節を外すんだ・・・
ってあれ?なんで和やかな空気に?あれ?意味わかんない!」


蛙「いい?自分を安売りして手に入れた恋は、結局安いものなの」
爆「キエエ」
蛙「そうならないためには、まず相手の外堀を埋めて隙が出来たら刺す!」
爆「キエエ」
蛙「あら。ハムカツ様だわ」

To be continued
[ 2013/03/15 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話62(2013/2/25) 



~前回までのあらすじ~

「Le repas d'un cochon」はハムカツパーク内で人気の
本格的なフランス料理を食べることができる店である。
ハムカツ財閥の潤沢な資金力を存分に発揮し、
成金趣味丸出しの欧米風な内装に
世界の有名三ツ星レストランで修行経験のあるシェフを何人も金で誘致しただけではなく、
吟味を重ねさせた日本人の舌に合ったその味。
そして同じく成金趣味の豚共用のメニューは勿論の事、
遊園地にデートに来ましたが今日なんやかんやでキメたいので
豪華でいい雰囲気の食事できる場所お願いしやっす
という若いカップルのためのリーズナブルなコース料理も兼ね備えた
遊園地内にある飲食店の中では完全無欠の完成度を誇ると
この遊園地を経営する巨大企業の次期社長のハムカツは胸を張って言えるレストランだった。
自らが指揮を執り専門家と幾度も繰り返されたディスカッションの末生まれた
わが子のようなそんなレストランだった。

その彼がレストランに自らの体を突撃させて破壊した。
殴り飛ばされた勢いそのままに豪快に破壊させられた。
衝撃で跳ね返ったりなんやらで
いい感じに建物の重要な柱などをの部位を多めに破壊した結果
インターネット上でいくらなんでも成金趣味過ぎと小馬鹿にされる事の多いそのレストランは
崩壊に崩壊の限りを尽くした。
厨房から燃え広がった炎は店内を燃やす。

ハムカツは痛む体を物ともせず叫んだ、そこに居たはずの愛しい人の名を。
よく見ると自分のすぐ横に立っていた。
粉塵に塗れては居たが、大きな外傷等はなさそうだった。
しかし安心はできない。
頭などを打っていた場合、目立つ外傷はなくても後に脳内出血などで死に至る場合もありうる。
ハムカツは怪我を心配した言葉を発したが、それを遮ってメリヤスは言う。

「スイーツはぁ?」

そうだ、そういえばオススメのスイーツを買ってくるように命令されていた。
爆熱のワタナベ来襲でそれ所ではなかったのだが
そんな事は彼女には関係ない。
デート中に他の女に会っていたなどと、彼女が勘違いしてしまっては困る。
俺はお前が俺に対してそうであるように、一途にお前を愛し生きているのだ。
ハムカツは言い訳をしない。
男らしくまだお使いはできていないと宣言するのだ。
まるで独裁政権の終わりを民衆達に告げる革命家の様に誇り高く伝えるのだ。

「え・・まだ・・・買ってないです」

多少上ずってしまったような気もするが誤差の範囲内だと言い聞かせる。
するとどうだろう。
彼女は全身がボロボロで身動きが碌にとれない彼の首に
自分が巻いていたそのマフラーを優しく巻き始めた。

「俺が出血して、体温が下がっているから温めてくれるのか?」

豚男は確信した、この雌羊はやっぱり俺にゾッコンだ。
完全に惚れている。
突如絞まるマフラー。
締めすぎて声が出ないため「ウギュギュゲ」みたいな呻き声と舌が出る。
そうか止血か。
止血してくれているんだな。
真っ白になっていく思考の中、ハムカツはやはり確信した。
相当惚れてんなぁーコイツは。
顔は鬱血して朝顔のような色になっている。

「お前のせいで私のマフラーが汚れた。新しいやつとスイーツ買ってこいよぉ」

メリヤスは愛情表現が激しいんだなぁ、かわいい子だな。
言葉はハムカツの脳内で語られただけで、実際には発せられていない。
「ヒュッ」というスキマから微かに漏れる空気音が断続的に彼の口から出されているだけだ。
そんな状態でも安らかに笑う豚に巻かれたかつての自分のマフラーを掴んで、メリヤスは歩く。
引きずって行った先は燃え盛る厨房だった。
ためらいもなくその中に投げ捨てる。
その結果を見る事無く、比較的無事な業務用冷蔵庫を開け放つ。
中にあった生ハムの塊にそのまま齧り付く。
喉渇くな、ペリエとかないか?
次の獲物を捜す彼女の後ろの厨房で炎が収束していた。

ジュリーは爆熱のワタナベの打撃をなんなく躱しながら考えていた。
殴り飛ばされた豚が戻って来ない。
そうなると次に戦うのは自分だ。
どう戦えばいいか?
また殺すしかないのか?
どうすれば先代達のようになれる?

自問自答の答えは出ないまま、その手に自身の武器を具現しようとした時、
視界の端に見慣れた豚が現れた。
メリヤスに優雅な時間を過ごして欲しいと店内を貸切、
従業員も最小限にした結果、建物内に居たと思われる数人の従業員を肩に抱いて。
ある程度離れた場所に彼らを下ろすと、こちらに向かって走ってきた。

驚くべきはその容姿だった。
先程は着用していなかった端にかわいらしいポンポンが付いた女物のマフラー巻いてる。
殴り飛ばされて帰ってきた知り合いが変態になっていた。
よく見ると顔が鬱血している。
何をどうやったらそうなるんだ。
疑問はさておき、ジュリーは爆熱のワタナベの火炎放射機を蹴り飛ばす。


「ジュリー、神器を具現する」

戻ってきた豚はいつもの言葉を吐き出す。

「またかい?暴走を抑えるのは大変なんだよ」

ウンザリしながら馬は返す。
この豚は炎を使って戦うのだが、いかんせんその扱いが下手だ。
特に自分の内から出る炎の扱いが苦手で、それを元に武器を具現しようとすると8:2で失敗して暴走する。
制御を失った彼の炎は放っておくと、死ぬまで放出され続け辺りを焦土へと変貌させる。
そうならないために、大体は彼の戦いにジュリーが付き添い暴走を抑える。
その方法を具体的に言うと炎が止まるまで殴る。
最近はそれに懲りたのか、武器を作る回数を減らし慎重になっていたのかと思っていたら、
その辺にあるガス管やらなんやらといった燃えるものを無理やりぶっ壊しては
発生した炎を元に武器を作って戦い始めた。
とにかく何をやっても迷惑な豚だった。

そんな彼が久しぶりに武器を具現すると言い出した。

「今日は大丈夫だ。メリヤスからもらったこのマフラーの匂いを嗅げばあーいい匂い!」

「キモッ」

そんな彼が今日は気持ち悪いことを言い出した。

「あー、最高の匂い!あー!」
「え?何これ?ドッキリ?」
「あーいい!」
「それ・・本当に貰ったの?顔が鬱血するくらいきつく巻かれているけど」
「お前は女心わかんねーからな」
「絞め殺されそうになったんじゃなくて?」
「クンクン」
「馬鹿だけならまだしも、気持ち悪くなるとは」

辟易するジュリーの目が驚愕と共に見開かれる。
ハムカツの手に紅き日本刀が具現された。
指で数えられるほどしか見たことないが、確かに彼自身の炎を使って具現した日本刀だ。
紅い燃え続ける灼熱を帯びた刀身。
しかも以前見たときより力強さを感じる。

「できた!落ち着く、いい匂い」
「参ったな・・・」

刀の美しさとは裏腹にマフラーの匂いを嗅いで恍惚の表情の豚はとても醜かった。
轟音が響き振り返ると蹴り飛ばされた爆熱のワタナベが撥ね跳んで戻ってきていた。

「待たせたな!この刃は、今までのやつとは違うぜ。
おれ自身の焔を元に具現したものだ」
「かちクゥがぁあ!!」
「これで仕舞いだ。ハムカツ流」
「キえエぇええエ!!」

ハムカツは具現していた、鞘にその刀を納刀する。
みつあみの少女が異形の右腕を大きく振りかぶって突撃する。

「弐の焔」

二人が交錯し、音も無く離れる。
続く静寂。
数秒の後、爆熱ワタナベの火炎放射器、街路樹、お土産物屋にアトラクション、
多くの物体が真横にずり落ちるようにその形を歪める。
ハムカツの納刀音が響き、全てが彼の放った剣閃に沿って両断された。

「居合い術、絶炎」

爆熱のワタナベの体から血液の代わりと言わんばかりに炎が噴出する。
それはやがて彼女の全身を覆いつくした。

「キエ・・ェエ」

燃え尽きて行く彼女を見つめる豚の背に声が届く。

「何・・これ・・燃えているの?人が?」




蛙「爆熱のワタナベ、あなたまたハムカツ様に挑んだの?」

燃え盛る女にチョキは語りかける。

爆「チョキ様・・・私はあなたに隠し事をしていました。あの豚への殺意です」
蛙「知ってるわ」



蛙「この前も、今日も私を思っての行動でしょ?」
爆「キエ・・・」
蛙「女は、秘密があるほうが魅力的なのよ」
爆「きええ・・・」
蛙「もう・・。知ってる?あなた口臭が酷いのよ」
爆「キエ!?」


蛙「ほら、私もあなたへの隠し事してた。
伝えたかったのに黙っていた。おあいこよ」
爆「チョキさま・・」
蛙「これからは私に直接言いなさい」
爆「・・チョキ様は男の趣味が悪いです!」


爆「あと皮膚がヌメヌメしているし、なんか体も臭」
蛙「言いすぎよ!」

怪物を覆っていた炎が消え、そこには晴れやかな少女が居た。

蛙「強かったでしょ、私が好きになったひと」
爆「キエエ」


豚「お前の差し金か、ジュリー?」
馬「その辺をウロウロしていたから避難させただけさ。
それより君こそ、彼女を殺すんじゃなかったのかい?」
豚「今日は焔の調子が良くなかった」


馬「そうかい。まぁ、これで一件落着かな?」
豚「ああそ・・」

突如ハムカツの腹を何者かの腕が貫く。

馬「豚くん!?」

崩れ落ちるハムカツの後ろに、手を赤く染めた羊が居た。


羊「スイーツはぁ?」
豚「あ・・・今すぐ買って・・来ます」

臓器を引きずって歩く豚を見て、馬は呟いた。

「やれやれ、爆熱のワタナベさんは見る目があった。
確かに彼は家畜だったよ、恋のね」



「LOVE PHANTOM」

第1話
『豚と羊と馬と蛙と爆熱のワタナベ』

~おしまい~


To be continued
[ 2013/02/25 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話59(2013/2/17) 



~前回までのあらすじ~

止まない炎を盾となり受け続けるハムカツ。
ジュリーは焼き豚となった彼を投げ捨てた。
しかし爆熱のワタナベは放つ炎は尚も豚を焼き続ける。

「やはり豚が狙いか。聞きたいな、何が君をそんなに駆り立てるんだい?」

ジュリーの問いかけは爆熱のワタナベの深淵にある記憶を思い起こさせていた。
彼女は何かを見つめているのが好きだった。
時間と共に少しずつ変わる影を眺めるのが好きだった。
洗濯物が太陽の暖かさで乾いていく様を傍観するのが好きだった。
穏やかに世界を望見するのが好きだった。
彼女にとって世界の流れは速すぎた。



「こノぶタは、けいハくでくサいぶタだ!」

「それで?」



中でも炎は特別なものだった。
赤や青の色、穂の様な形も、
ほんの少しの風を受ければ移ろいでしまうような儚さも
触れた相手を焦がして変化させてしまう力強さも。
世界から隔絶されたように生きる彼女にとって、炎は自らで憧れだった。
自宅の裏庭で落ち葉や古新聞などを集めに集めて
天高く燃え上がる炎を生み出した時、彼女は思った。
これをもっと自在に操りたい。
自在に操れば炎そのものになれるのでないか?
両親にお仕置きの殴打を喰らいながらも、彼女はそう思っていた。
しかしただ何かを燃やすだけでは芸がない。
それでは放火魔でしかない。
何をどうすればもっと自分を滾らせてくるのか?
両親の監視や倫理観と戦い模索する中、転機が訪れる。
美術の授業で課題として出された風景画がうまく描けない事が
興奮すると周りが見えなくなってしまうという彼女の悪癖を爆発させた。
燃え行く風景画を見て、常ならば自らの行為を恥じていたはずだった。
高揚感。
体を異様な高揚感が包んでいた。
これだ、爆熱のワタナベは確信めいたものを掴んでいた。



「チョキさマにふさわシくない!チョキさまは、わたシを
ふカいやみかラすくっテくれた。わタしにせカいをアたえてクれた!
ワタシにわタしにワたしに」



さっそく帰宅部から美術部に鞍替えして自分で書いた絵を燃やした。
興奮し涎を撒き散らしながら爆笑する彼女を尻目に、美術室はパニックとなった。
よく考えれば美術部に入らなくても、自宅でひっそりとやればよかった。
なぜ粋がって他人に見せようと思ったのか?
わかっている。
結局自分は誰かと繋がりたいのだ。
ありのままの自分を受け入れてくれる何かにすがりたかったのだ。
先生に鼓膜が破れるくらい怒鳴り散らされ
両親にお仕置きの殴打をされながら、一つ学んだ。
後悔は先に立たない。
翌日からの彼女を待っていたのは迫害の日々だった。
誰かに嫌がらせをされたというわけではなかった。
先の奇行が元々人付き合いが苦手な彼女を更に孤立させた。
孤独には慣れている。
ただ、やっと掴んだものを世界から否定された事が何よりも辛かった。
自分はやはりこの世界で生きるには向いていないのでないか?
そうして全てが嫌になったあの日、チョキは現れた。

「あなたが放火魔さん?」

またか、もう私の事は放って置いてくれ。

「絵を見せてちょうだい」

その赤いカエルは自分の絵を見たがった。
もう絵は描かない。もう全部どうでもいい。

「キャンバスと絵の具と火炎放射器を用意したわ」

取り巻きの雌共に抑え付けられ無理やり筆を取らされた。
わかったわかった、見せてやる。
そして笑いものにしてくれ。
彼女は捨て鉢で描いた。
全てに絶念した自分を半狂乱で描いた。
描いたその絵を火炎放射器で焼き尽くした。

「すごいわ、10年に一人の逸材かも。ごめんなさい言い過ぎたわ、3年半に一度くらいかしら?」

チョキは自分と共に日々を過ごしたいと申し出た。
なぜ自分なのか?
見渡せ、お前以外は全員引いているだろ。
どう考えたって私は異常だ。

「私は人生の限られた時間でできるだけ多くの偉人に出会いたいの」

彼女の思いを私は聞いた。

「かつてこの世界に居た偉人達を、私は文字や映像でしか認識できない。
それってすごく悔しいじゃない。何かに加工された情報じゃない。
直接私は知りたいの、そういう人たちを」

ただその言葉を聞いていた。

「過去には戻れない。だから、私は今同じ時代に生きるたくさんの才能溢れる人と出会いたい。
出会ってその人の事を誰よりも深く知って、同じように私の事を知ってもらいたい。
あなたはその候補の一人」

私には何の才能もない。
あなたの思うような人間にはなれない。

「あなた未来がわかるの?だったらそれも立派な才能よ」

そうじゃない。そうじゃないんだ。

「まずはあなたの絵をコンクールに送るわ。あれ?でもよく考えたら消し炭って審査してくれるのかしら?」

私は嫌われ者で、あなたと共に居たら迷惑がかかる。

「あら、私の方が多分嫌われているわよ。陰でどんな風に言われているか。
でもどうでもいいじゃない。人生は有限なの、限られた時間は楽しむために使うべきよ。
そうねじゃあ、学校内ではできるだけ一緒にいましょう。
それであなたに直接とやかく言う人は少なくなる」

言い返せなくなった私を置いてけぼりで彼女は続ける。

「私がいない所でゴチャゴチャ言ってくる奴が居たらすぐに言ってちょうだい。
邪魔なものは完膚なきまでに排除するわ。胸を張りなさい、あなたは私という力を手に入れた。
躊躇う必要はないわ。使える便利なものをわざと使わないなんて馬鹿のする事よ」

それは救済の言葉だった。

「さぁ」

溢れ出る涙を止めることができない。

「私と共に来なさい」

私がずっとずっと待ち焦がれていた瞬間だった。



「チョキさまは、はクがいされてイたわたしニも、じゆうにトびはねる
かエるのあシをくださった。チョキさまノためになるなラ なんだッてする。
たとエそれで たモとをわかつコとになっテも」

爆熱のワタナベは叫んだ。絶対に引けない。私はあの豚を殺すのだ。
あのチョキ様が、あんな家畜の事を好きになるなんてありえないのだ。
何かの気の迷いかと思った。
すぐに目を覚ますだろう。
しかし待てども待てども彼女の態度は変わらなかった。
豚はチョキ様に相応しくない。
よしじゃあ殺そう!
豚を殺す事がチョキ様の幸せになる。

「君は豚さんの報告書によると羊ちゃんも殺そうとしていたみたいだけど」

馬のジュリーは手元から資料を出してヒラヒラさせていた。
その軽薄そうな態度が爆熱のワタナベを苛立たせる。

「そウだ、あのひツじもやきコろす。チョキさまノこいのしョうがいハ!」

チョキ様は豚を好きになった。
私はどうしても生理的にあの豚が受け付けないが、チョキ様が言うのなら多分素晴らしい人なのだろう。
応援してあげたい。あの人が望むことをなんでもしてあげたい。
チョキ様の邪魔をする奴は全部排除するんだ。
かつてチョキ様が私にそうしてくれたように。

「・・・いいね支離滅裂で素晴らしい!」

ジュリーは両手を広げて何よりも嬉しそうに宣言する。

「君のように激しく感情が入り混じった者が、稀に変異して怪物になる。
偉い人は、奴らとか化け物とか呼ぶね。
でも僕は君達にこう名付けたよ。『LOVE PHANTOM』」

それは古来より続く、誰にでも起こり得る事象だった。
ある者は愛を、ある者は憎しみを。
高まり交じり合った思いは、生き物を違う何かに変質させた。
それは進化か、退化か。

「君の言葉は滅茶苦茶だったが、愛に溢れていてた。それが聞けて満足だ」

仰々しく舞台役者のように身振り手振りをする馬に、
ついに爆熱のワタナベの怒りは爆発した。
未だ豚に浴びせ続けていた炎を止め、咆哮と共に歩みを進める。
標的変更、次は馬を焼き殺す。
ジュリーは向けられた火炎放射器を見て、笑みを浮かべた。

「僕は女の子に手を上げるのは趣味じゃない」

先ほどまで自分が放っていた炎が収束している。
それは何かを形作るように。

「選手交代さ」

爆炎を切り裂いて、炎を身に纏ったハムカツが現れる。
体を砕いて、焼き殺したはずだった。
なぜ奴がまだ生きている?
そうだ、あの豚は炎を吸収していた。
なぜそんな大事なことを忘れていたのか。
またあの悪癖が爆熱のワタナベを追い詰める。
殺す殺す、豚を殺す。
すべてはちょきさまのためだ。
わたしはなにをもってしてもはいじょするんだあのぶたを。
ちからをちからをぜんぶぜんぶやきつくすちからを。

少女の右腕は更に禍々しく変化した。


「彼女を殺すのかな?」

ジュリーのそんな問いかけに少しの間があってから、ハムカツは答えた。

「・・豚の顔は1度までだ」



対峙する、豚とみつあみの少女。
両者はまるで互いの決意を誇示するかのように叫びあった。

「ハムカツ!おヤのスネをかジるだけのかチく!」

「俺は家畜じゃない。侍だ!」

弾け飛ぶように両者が跳躍する。
刀と、火炎放射器の鍔迫り合いがいくつもの火花を生む。
必殺の思いを込めた一撃と、上下左右と縦横無尽に生まれる火花はまるで芸術のようだった。

突如、視界を紅く染め上げるほどの爆炎がハムカツを襲う。
馬鹿が、何度同じ事を繰り返すつもりだ。

「俺に焔は通じない!」

ハムカツは左手で炎を吸収し、右手に持った刀にそれを集めて次の一撃で決めるつもりだった。
しかし炎を吸収したハムカツの視界が開けると眼前に爆熱のワタナベが迫っていた。

「焔は囮か!?」

馬鹿は自分だ。
爆熱のワタナベの渾身の打撃を刀で受けた。
押し返せる、力を込めたハムカツ。
しかし少女の独特の耳を劈くような甲高い咆哮が世界を揺らし、
更に更に右腕は変異する。
負けてたまるか。
こんな豚に。
逆にハムカツは刀を砕かれた。
そして火炎放射機は勢いを失う事無く豚の体を殴り飛ばす。
再びの肋骨大破壊。
体の自由が利かず、ただゴルフボールのように飛んでいく。
消え入る寸前であったハムカツの意識を現実に留めたのは痛みではなかった。

「しまった・・あそこにはメリヤスが」

このまま行けばメリヤスがいるはずの、あの建物に直撃する。
動け!動け!頼む、俺の体よ動いてくれ!
あ、無理やわ、これ。
だってめっちゃ骨折れてるやん、俺。
関西弁は発せられる事無く、衝撃音の後レストランが崩壊した。

「メリヤス!」

全身の骨が折れ、血まみれになっても尚
豚は愛しい人の名を叫んだ。



そこには粉塵塗れになりながらも、仁王立ちするメリヤスがいた。

豚「怪我はな」
羊「スイーツはぁ?」
豚「え・・まだ買ってないです」

メリヤスは自らのマフラーを外すと、ハムカツに優しく巻く


豚「俺が出血して、体温が下がっているから温めてくれるのか?」

メリヤスは渾身の力でマフラーを締め上げる。

羊「お前のせいで汚れた。新しい奴とスイーツ買ってこいよぉ」


豚「あぐぐメリヤスは愛情表現が激しいね」
羊「マフラーは高いやつにしろよぉ」

爆熱のワタナベの打撃をかわすジュリーの視界に豚が入る。

馬「あれ?女物のマフラー巻いてる?」


豚「ジュリー、神器を具現する」
馬「またかい?暴走を抑えるのは大変なんだよ」
豚「今日は大丈夫だ。メリヤスからもらったこのマフラーの匂いを嗅げばあーいい匂い!」
馬「キモッ」



豚「あー、最高の匂い!あー!」
馬「え?何これ?ドッキリ?」
豚「あーいい!」
馬「それ・・本当に貰ったの?顔が鬱血するくらいきつく巻かれているけど」
豚「お前は女心わかんねーからな」


馬「絞め殺されそうになったんじゃなくて?」
豚「クンクン」
馬「馬鹿だけならまだしも、気持ち悪くなるとは」

ハムカツの手に紅き日本刀が具現される

豚「できた!落ち着く、いい匂い」
馬「参ったな・・・」


豚「待たせたな!この刃は、今までのやつとは違うぜ。
おれ自身の焔を元に具現したものだ」
爆「かちクゥがぁあ!!」
豚「これで仕舞いだ。ハムカツ流」
爆「キえエぇええエ!!」

豚「弐の焔」


二人が交錯し、音も無く離れる。
静寂の後、ハムカツの納刀音が響く。
それと童子に爆熱ワタナベの火炎放射器が真っ二つになって飛んだ。

豚「居合い術、絶炎」



切断面から噴出した炎は、やがて爆熱のワタナベの全身を覆いつくした。

爆「キエ・・ェエ」

燃え尽きて行く彼女を見つめる豚の背に声が届く

「何・・これ・・燃えているの?人が?」

To be continued
[ 2013/02/17 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話55(2013/2/11) 



~前回までのあらすじ~
ハムカツは気になる羊をデートに誘ってみた。
返って来た答えは、拒絶に次ぐ拒絶。
人生でここまで拒絶されたことはないというくらい拒絶された。
さすがメリヤス、俺が惚れた女だぜ。
ハムカツは怯まない。
欲しいものはどんな事をしても手に入れるのだ。
自分の力だけでなく、親の力を使ってでも。
メリヤスが食に多大な関心を持っている事は一目見れば明らかだった。
そこで、自分の父親が経営する一流ホテルの豪華ディナーをご馳走する代わりに
再度のデートの誘いを投げかける。
答えはYESだった。
ハムカツは心の中で踊り狂った。
現実世界にもその欲が溢れ出しそうだったが
変なことをされたら内臓をブチ抜くという彼女の言葉で目が覚めた。
この女はやる。
何の躊躇もなく、やり遂げる。
ハムカツは焦らない。
ゆっくりと二人の愛を育むのだ。


メリヤスに千切られた耳もなんとかくっ付いた週末、ハムカツパークにて。
ハムカツは前日、家政婦達と手持ちの数千着の洋服から今日の日のための
コーディネートを考え抜いた。
フォーマル過ぎず、カジュアルになり過ぎず。
考え抜いた結果出ない答えに業を煮やした彼は
若者に人気のファッションブランドのデザイナーを数人呼びつけて
会議を再開した。
合計13時間にも及ぶ激論の末決まった衣服を身にまとい
ハムカツは遊園地に向かった。
もうこれだけであの羊は自分に惚れただろう。
俺がここまでしたんだから、もうこれは今日中に子供とか作れちゃうんじゃないの?
すごい夜になっちゃうんじゃないの?
浮かれるハムカツだったが、時間通りに現れたメリヤスの態度は
寒さに慣れたはずのホッキョクグマをも凍りつかせるようなものだった。
無関心。
ただそれだけだった。
メリヤスはハムカツの食に関する言葉以外は、完全に無視を決め込んだ。
これにはさすがのハムカツも号泣しそうだった。
というかトイレで割と本格的に泣いた。
こんなに泣いたのは久しぶりだった。
途中で隣の個室から痔を疑われていた気がするがどうでもよかった。
自分は結構な金持ちの家生まれなので、普通の高校生よりも
もっと色んな経験をしていてすごく大人なんだと過信していた。
このザマだ。
見てみろ、好きな女に冷たくされただけでこの有様。
なんてことない普通の高校生だ。
もしかしたら普通の高校生よりも駄目かもしんない。
最後に泣いたのはいつだったろうか?
最初に泣いたのは母の胎内から生み出された時だ。
俺達は泣きながら生まれた。
そう泣くと言うのは原初に還る行為だ。
まだ大丈夫、再スタートだ。
俺はもう一度あの羊に向かっていく。
きっとアイツは恥ずかしくてそっけない態度を取っているだけなんだ。
きっとそうだ、本当はもう俺との熱烈な接吻を望んでいるはずだ。
そうに違いない。そういうことなら任せろ。
いつも風呂場の鏡で練習している。
鏡に映る自分を相手に練習している。
さぁ行くぜ。
そんな決意を新たに生まれ変わったハムカツに投げかけられたのは
「スイーツを買って来い」
という無慈悲な命令だった。

悲壮感漂う豚の体を携帯電話が揺らす。
相手はヤマト。
ハムカツと同じB4の仲間だ。
彼は『奴ら』がハムカツと同じ遊園地内に居る事を告げた。
大事なデートだというのに、ついてない。
舌打ちが自然と出た。
同じくB4のジュリーが既にこっちに向かっているらしい。
アイツの能力ならすぐ到着するだろう。
そんな事を考えていた彼の前に見覚えのある顔が立っていた。
大人しそうな外見の少女。
可憐と言う言葉がピッタリな少女。
三つ編みが風に揺れていた。

「お前は・・確か・・爆熱のわたな」

次の瞬間ハムカツは頭から地面に叩きつけられていた。
遅れて痛みだす体。
胸が特に酷く痛む。
殴られたのだ。
誰に?
決まっている、以前自分を火炎放射器で焼き殺そうとしたあの少女。
爆熱のワタナベと呼ばれていたあの女だ。
自分がここまで殴り飛ばされた事を考えると、事態の深刻さがわかる。
ヤマトの言う『奴ら』とは爆熱のワタナべの事だった。
自分への憎しみが彼女を変貌させてしまったのか?
随分嫌われたものだ。

「うぐぁ・・肋骨が24本折れた」

本当に折れたのかどうかはわからないがそれくらい胸が激しく痛みを訴える。

「全部折れたのかい?」

ハムカツに声を投げかけたのは馬のジュリー。

到着していたのなら助けてくれよ。
吹っ飛んできた俺を受け止めてくれれば、
少なくともこの胸に次ぐ痛みを放つ頭は無事だったはずだ。
嫌だ。
ジュリーは本気で嫌そうな顔で言う。

「君に近寄ったら豚臭くなる」

それが恋と戦いで、心と体が傷ついた仲間にかける言葉か。
言い返そうとしたハムカツの言葉をジュリーは遮る。

「奴の腕、火炎放射器と一体化しているね。余程の思い入れだ」

なるほど、よく見ればその通りだった。
外見が以前戦った時と大きく変わらなかったが
その右腕だけは大きく変貌していた。
機械と生物がゴチャゴチャに交じり合った、趣味の悪い腕になっていた。
爆熱のワタナベは叫び声を上げこちらに炎を放った。

「危ない、焼き豚バリア!」

ジュリーは当然のようにハムカツの首根っこを掴んで自分の前に差し出す。
わいは猫ちゃんやないで。
その関西弁は発せられる事はなく、灼熱の炎が豚を包んだ。





盾にされ、燃え盛るハムカツをジュリーは投げ捨てた。
そこへ、爆熱のワタナベは再び炎を浴びせる。

馬「やっぱり豚が狙いか。聞きたいな、何が君をそこまで駆り立てるんだい?」


爆「こノぶタは、けいハくでくサいぶタだ!」
馬「それで?」
爆「チョキさマにふさわシくない!チョキさまは、わたシを
ふカいやみかラすくっテくれた。わタしにせカいをアたえてクれた!
ワタシにわタしにワたしに」


爆「チョキさまは、はクがいされてイたわたしニも、じゆうにトびはねる
かエるのあシをくださった。チョキさまノためになるなラ なんだッてする。
たとエそれで たモとをわかつコとになっテも」
馬「へぇ・・・」


馬「君は豚さんの報告書によると羊ちゃんも殺そうとしていたみたいだけど」
爆「そウだ、あのひツじもやきコろす。チョキさまノこいのしョうがいハ!」
馬「・・・いいね支離滅裂で素晴らしい!」


馬「君のように激しく感情が入り混じった者が、稀に変異して怪物になる。
偉い人は、奴らとか化け物とか呼ぶね。
でも僕は君達にこう名付けたよ。
『LOVE PHANTOM』」


馬「君の言葉は滅茶苦茶だったが、愛に溢れていてた。それが聞けて満足だ」
爆「キエエ!!!」
馬「僕は女の子に手を上げるのは趣味じゃない」

炎が収束する。

馬「選手交代さ」


爆炎を切り裂いて、炎を身に纏ったハムカツが現れる。

馬「もういいのかい?」
豚「助かった。あいつの焔でかなり回復した」
馬「彼女を殺すのかな?」
豚「・・豚の顔は1度までだ」


爆「ハムカツ!おヤのスネをかジるだけのかチく!」
豚「俺は家畜じゃない。侍だ!」
弾け飛ぶように両者が跳躍する。
刀と、火炎放射器の鍔迫り合いがいくつもの火花を生む。


爆「キエエ!」

視界を紅く染め上げるほどの爆炎がハムカツを襲う。

豚「俺に焔は通じない」

炎を吸収したハムカツの眼前に爆熱のワタナベが迫る。

豚「焔は囮か!?」


爆熱のワタナベの打撃を刀で受けるも、あえなく砕かれ
ハムカツは吹き飛ばされる。

「しまった・・あそこにはメリヤスが」

衝撃音の後、レストランが崩壊した。

「メ・・メリヤスは!?」



To be continued
[ 2013/02/11 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話54(2013/2/9) 


~前回までのあらすじ~

チョキが自分の恋敵であるメリヤスを暗殺すべく仕掛けた爆弾は容易くミカによって解除された。
意気消沈するチョキの前に現れたのは爆熱のワタナベ。
彼女は高らかに宣言する。
その手に持った火炎放射器で全てを炎で染め上げみせると。
あの様な下賎な羊、ほんの一瞬でジンギスカンのようにしてやると。
チョキの名の元にその苛烈な作戦が許可されようとした、その時
彼女らの前に一匹の豚が立ちはだかる。
彼こそはチョキの想い人の豚、ハムカツであった。
ハムカツと仲良くする雌羊を疎んじて行おうとした嫌がらせを
ハムカツ本人に窘められる。
愚の骨頂だった。
混乱するチョキとは裏腹に、爆熱のワタナベとその愛用の火炎放射器には
文字通り火がついてしまっていた。
爆熱のワタナベは幼少時より、興奮すると自分が何をやっているのかわからなくなる人間だった。
彼女が自分でその悪癖を自覚したのは
小学生の頃、お小遣いをためて買った大好きなアーティストのCDを
家に帰る前に河川敷でフリスビーの様に投げ飛ばした時だった。
「わしゃブラック・マスクのジェット・リーかーい!」
渾身のツッコミは夕焼け空に虚しく響いた。
以来自分を諌め、穏やかに穏やかに過ごそうと気を付けた結果
人形のように感情を出さなくなった彼女を救ったのはチョキだった。
そんなチョキの制止は彼女に届かない。
無常にも火炎はハムカツ目掛けて放射された。
迫る炎に微塵の動揺も見せず、彼は言い放つ。
奇遇だな。
自分も『焔の使い手』なんだ、と。
爆熱のワタナベの放った炎は普通の豚相手であれば、
ほんの一瞬で消し炭にできるほどの
熱量を帯びたものであった。
しかし、ハムカツはその炎の直撃を右手のみで受け止めたばかりか、
さらに炎を逃がす事無く一箇所に収束させ、あるものへと形を変えていく。
それは一振りの日本刀。
刀を軽く振るってハムカツは諦めたように呟く。
「機械の焔じゃ、この程度の刃しか具現できないか」
それでもまぁお前相手なら十分だな、付け加えられた言葉をかき消すように
爆熱のワタナベは獣のような咆哮と共に全てを焦がしつくす炎を放つ。
構えた刀は灼熱を帯びて紅く染まる。
「ハムカツ流、壱の焔」
振りぬいた炎は刃となって相手を紅く染める。

断末魔を上げる爆熱のワタナベ。
「安心しろ、殺しちゃいない」
ハムカツの超絶熱波極大豪炎消滅波光暗黒乖離紅蓮鳳凰次元終焉星乱遥遠超越深淵業火撃滅斬は
爆熱のワタナベの火炎放射器だけを切り裂いていた。
震え上がる蛙に、こいつに伝えといてくれと豚は言って続ける
「俺をミミガーにするって言ってたが、耳はもうあいつに奪われているんだ」
蛙は豚の耳を見て再度震え上がる。
耳がないと肌がピンクで顔が丸いから星のカービィみたい・・。

ハムカツはその場を悠然と去る。
その手に念書を持って、羊の彼女に届けるのだ。
念書と共に、俺の愛を。




羊「私があなたみたいな畜生と遊園地に行くわけないでしょぉ」
ミ「そうよ、糞豚野郎!メリヤスは豚が糞嫌いなんだよ」
豚「親父のホテルの豪華ディナーをつけるぜ」
羊「行きますぅ」


ミ「大丈夫なの、メリヤス?あいつ見るからに、超弩級の変態だよ」
羊「大丈夫だよぉ。あんな豚如き、いざとなればミカが教えてくれた
素手で内臓を引きずり出すあの技でぇ!」


-週末ハムカツパークにて
豚「じゃあまずはジェットコースターにでも乗るか」
羊「モグモグ」
豚「次はゴーカートだ」
羊「ムシャムシャ」
豚「次は・・・」
羊「パクッ」
豚「ランチでも・・食べるか?」
羊「行くいくぅ!」


豚「よし、次は観覧車にでも乗るか?」
羊「・・・・」
豚「フリーフォールにするか?」
羊「・・・・」
豚「じゃあ何か食べ」
羊「食べる食べるぅ!」

-蛙「なんなのあの羊、ハムカツ様があんなに尽くしているのに」


豚「あっちの屋台のスイーツが評判なんだぜ」
羊「・・・・」
豚「買ってきます」
羊「・・早くしろよぉ」

-豚「この俺がパシリとは・・・大した羊だぜ」

着信音

豚「もしもし、なんだヤマトか?」


鰐「ハムカツ、お前の近くだ。奴ら・・いるぜ」
豚「大事なデート中だってのに」
鰐「ジュリーがすでにそっちに向かってる」
豚「了解だぜ・・ん?」
鰐「どうした?」
豚「あれは・・確か・・爆熱のわたな」


殴り飛ばされたとハムカツが知覚したのは、
20M先の地面に叩きつけられた後だった。

豚「うぐぁ・・肋骨が24本折れた」

「全部折れたのかい?」

豚「じゅ・・ジュリー・・居たのなら助けろよ」


馬「嫌だね。君に近寄ったら僕まで臭くなる」
豚「お前・・・」
馬「奴の腕、火炎放射器と同化しているね。余程の思い入れだ」

爆「キェェホのオくらエ!」

馬「危ない、焼き豚バリア!」


To be continued
[ 2013/02/09 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話47(2013/1/25) 


~前回までのあらすじ~

高校2年生メリヤスは食いしん坊な普通の女子高生だった。
今日もいつものようにたらふく食べて、いつものように学校に登校した。
しかし彼女を異変が襲う。
そう、校門が女子で埋め尽くされていたのだ。
このままでは遅刻してしまう。
食う事に夢中なあまり、1年生時に遅刻の常習犯であったメリヤスにとって
新学期早々の遅刻はあまりにもリスキーな行為。
学食使用を禁止されるかもしれない。
というか、教員に次遅刻したらそうすると脅されていた。
食いしん坊メリヤスにとってこれはシベリアに収容されるよりも遥かに思い罰であった。
彼女は決意する。
目の前の敵を全て排除する。
女子の輪の中心にいたのは、B4と言われる学園のアイドルの男子4人だった。
彼はは皆財閥の御曹司であり、
学園に多額の寄付をしている両親の影響で、教師陣は彼らの行いを黙認する事が多く、
好き放題にしている鼻持ちならない連中だった。
B4のリーダー格である豚が彼女に声をかける。
色欲に塗れた畜生の声など届かない。
彼女は豚の耳を引き千切り、悠然と教室に向かった。

ホームルームが終了し、メリヤスは酷く落ち込んでいた。
よく考えたら犯罪だった。
女子高生が同級生の耳を千切り持ち去ったなどという凶悪事件
マスコミにあることないこと書かれ一家は離散。
自分は下手したら刑務所行きではないのか?
刑法は詳しくないが恐らくそんな感じの罰が自分には待っているのではないか?
刑務所は別に怖くない。
おとなしくしていれば、数年で出てこれるとテレビが言っていた。
それよりも好きなものを好きな時に食べることができない。
メリヤスは恐怖に打ち震えた。
親友のミカが励ましてくれる。
ミカは人間の女でメリヤスとは小学生のときからの付き合いだ。
そんな彼女の優しい声を切り裂くように男の声が響く。
さっき耳を千切った豚だ。
耳がなければ自分は星のカービィみたいになってしまう。
耳は自然に生えてこない。
元の耳がないと手術で縫合してくっつける事ができない。
それには時間制限がある、悠長にしていたらくっつくものもくっかなくなる。
さっさと耳を返せ、という内容であった。
怒気を孕んだ彼の声は今のメリヤスにとって酷く耳障りで
鈍器的なもので頭蓋を粉砕し黙らせてやろうかと思案している中ひとつの名案が浮かぶ。
耳を返してほしければ、耳を千切った自分を訴えないという念書にサインをしろ。
ハムカツの脳内に衝撃が走る。
彼女の提案は自分を持て囃すしかしてこなかった、
今までの取り巻き連中とは違う輝きがあった。
ハムカツはこの羊の事をもっと知りたくなった。

そんな様子を影から見守る連中がいた。
B4親衛隊の蛙チョキである。
彼女は自分の部下に命ずる。
メリヤスをこの世界から消滅させる作戦を。




-翌日の朝
羊「それで昨日食べたカエ」
ミ「メリヤス待って」
羊「どうしたのミカァ?」
ミ「メリヤスのロッカーから爆薬の匂いがする。開けたら爆発するかも」
羊「えーマジ怖ぇわぁ」



羊「どうしよう。中に今日のおやつがあるのにぃ」
ミ「向こうの壁からブチ抜いて、爆薬を解除してくるね」
羊「ありがとうミカァ」

-「なんなの・・あの子達・・」
蛙「チョキ様、私怖いです」



「キェェエーチョキ様!私が消し炭にしてやりますよ!」
蛙「お前は爆熱のワタナベ!」
爆「私の火炎放射器であんな羊、一瞬でジンギスカンですわ」

「穏やかじゃねぇな」



蛙「ハムカツ様!? 爆熱のワタナベ、この人は駄目よ!」
爆「キェェェミミガーにしてやるぜ」
豚「ハムカツ様、逃げてぇぇ!」

炎がハムカツに迫る。

豚「奇遇だな、俺も焔の使い手なんだぜ」



蛙「爆熱のワタナベが放った火炎をハムカツ様が吸収していく!?」
豚「機械の焔じゃ、この程度の刃しか具現できないか」
爆「キエエエエ!」
豚「ハムカツ流 壱の焔」



「超絶熱波極大豪炎消滅波光暗黒乖離紅蓮鳳凰次元終焉星乱遥遠超越深淵業火撃滅斬!」 




爆「キェェ・・」
豚「安心しろ殺しちゃいない」
蛙「ハ・・ムカツ様」
豚「俺をミミガーにするって言ってたが、耳はもうあいつに奪われてるんだ」
蛙「は・・はわわ」
豚「さてと・・・念書を届けなきゃだぜ」



To be continued
[ 2013/01/25 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話46(2013/1/23) 


Gotham village presents





「うわー遅刻だぁ」
私はメリヤス。今日から花の高校2年生・・・なんだけど
「朝から米一升は食べすぎだよぉ。
成人男性の一日の摂取カロリーオーバーだよぉ!」



「キャー!!B4のハムカツさんよ。
今日もお美しいわー!」
「しょうたろうさんもいるわー!」
「ジュリーさんに、ヤマトさんも! B4勢ぞろいよー!」

「ちょっと通してぇ!遅刻しちゃうよぉ!」



「どけよぉ!!」
「なんだ?可愛らしい羊じゃねーの。
おいお前俺の女にしてやってもいいぜ」
「口を開くな、家畜ぅ!」


・・・・・・「それでそいつの耳千切ってきちゃったの?」
「うん・・・」



「ねぇミカ、私警察に捕まるのかなぁ?」
「地球上ならどこでも犯罪になると思うよ」
「そっかぁ・・明日からカツ丼だけかぁ」

「あ!いた!俺の耳返せよ!」



「ここにサインしてぇ!」
「なんだ?俺のサインが欲しいのか?」
「耳を千切った事を訴えないと言う念書だよぉ。
これにサインしたら耳を返してあげるぅ」
「悪魔か、お前は」



「この俺に、ここまで楯突いた女は初めてだぜ。
羊お前気に入ったぜ。今度デートしてやる」
「今命令しているのは私だぁ。お前は家畜の様に私に従ってろぉ」



「ハムカツ様とイチャついている、あの羊はなんなの?」
「メリヤスと言う貧乏人です、チョキ様」
「あの羊のロッカーに半径100メートルを消し飛ばす爆弾を仕掛けなさい!」



To be continued



[ 2013/01/23 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話27(2012/12/24) 


(写真左、天使の羊メリヤス。中央、映画で主役を演じたしょうたろうさん。右、豚のハムカツ)

ミカ村長主導で製作されたゴッサム村村おこし企画第一弾。
映画「太陽のKomachi」が空前の大ヒットを記録し、村は沸きに沸いていた。
最寄のゴッサム駅には臨時列車がひっきりなしに到着し観光客で溢れかえっていた。
駅員のサルは疲弊しノイローゼになったが、商店街は潤った。
ここに第一次ゴッサムバブルが起こったことを宣言する。

そして今回、映画の中で
「核兵器のスイッチをなんとなく買ってしまい、2つの勢力に追われる豚の役」を
痛快に、時にコミカルに演じ、若い女性から圧倒的支持を得て
ただ今大ブレイク中の俳優ハムカツさんのセミロングインタビューをお届けします。



-村おこしの映画「太陽のKomachi」に出演されてから生活は変化しましたか?

ハムカツ、以下豚) 合コンで、今までは10:0で逃げられていたんですが
今は8:2くらいで股開きますよ。



-役を演じる上で、気を付けていた事はありますか?

豚) 合コンで気に入った雌に、電話番号入りメモを手渡しながら
ポエムを囁くときくらい大胆に演じるようにした。



-ポエムですか?

豚) 「僕が心を開けば 君も股を開くんだよ」っていうポエムなんですけど。

-それは(爆笑)

豚) 何笑ってんすか!?


豚) ほわー!!僕が豚だから馬鹿にしているんでしょ?
食肉加工されて来いよ、とか言うんでしょ?ほわー!!

-合コンセッティングしますから。

豚) 矛を収めましょう!!



ちょっとブレイクタイム。
ハムカツさんのポエム集。

「僕を愛してしまう君は 家畜の 恋の家畜だね」



-次はどのような作品に出演したいですか?

豚) 恋愛物がいいかなぁ。
僕が高飛車で強引なイケ豚だけど、実はトラウマを抱えているってやつ。
豚なのにね。



-それでは最後になりますが、ファンの皆さんに一言。

豚) 実は次回作ももう決まっています。撮影も始まっています。
僕は家畜の豚役です。期待してね!




ゴッサム村 村おこし映画
「太陽のKomachi」DVDリリース決定。
65枚組みの大ボリューム。
飛び出た脳みそフィギュアもついて70000ベル。

映画第二弾も製作中。
[ 2012/12/24 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話12(2012/12/9) 


(パロンチーノの圧倒的なまでの変質者オーラに恐れ戦くしょうたろうくん)


ゴッサム村は村長ミカによる独裁政権が敷かれていた。
多大なる納税。村民は困窮を極めていた。
自由を得るため、村民のしょうたろうとマサキは村長ミカの暗殺を計画する。
しかし村の掲示板を使って行われたやり取りは、いとも簡単に村長サイドに漏洩する。
村長達は革命軍を影から操り核兵器を自らの村に撃たせて、崩壊した村を自らの手で立て直すことで
英雄となり金儲けをしようとしていた。
しかし核兵器の発射スイッチがたぬきの店で誤って売られてしまう。
何も知らずスイッチを買っていった村民の豚を巡る苛烈なる攻防。
革命軍リーダーマサキはスイッチを確保し、村長の手先キスショットを打ち破ったが
彼もまた命にかかわるほどの傷をその身に負っていた。
残されたしょうたろうは全ての決着を付けるため、
村長ミカの待つ市役所地下の核シェルターへと向かう。
しょうたろうの決意は悪夢を断ち切れるか?
全てが終わった後彼らの瞳に映るのは?






あの戦いから もう半年だ。
シェルターを再び開くと 中は崩壊しミカは死んでいた。
しょうたろう お前は村を救ったんだ。
しかしお前はどこにもいなかった。遺体もだ。


俺は今、動物達に祭り上げられて 村長をやらされている。
本当はお前が相応しいのにな。
みんなに支えられてなんとかやっているよ。
なぁ、お前はどにいったんだ?


動物共は、俺を英雄だとなんでも従う。
だから彼らに重税を課す事にした。
どんな額でも喜んで払う。最高だよ。
全部お前のおかげさ、しょうたろう!


ミカが残していった核も俺の手にある。
この村だけじゃない。
全て俺のものにできる。
一緒に世界を牛耳ろうぜ。
まずはこの村だ。
最高だぜ。なぁ、しょうたろう。








cast



しょうたろう




マサキ




ミカ




キスショット




ハムカツ






主題歌
B'z
「太陽のKomachi Angel」












「やれやれ、この村は 俺を寝かせてはくれない みたいだぜ」






~終劇~








次回からは、核の発射スイッチを なんとなく買ってしまうという
難しい役柄を痛快に演じ 大人気となった
俳優のハムカツさんのインタビューをお送りします。
[ 2012/12/09 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話6(2012/11/28) 


(南の島で大物を釣り上げて大変ご満悦のしょうたろうくん)


ゴッサム村は村長ミカによる独裁政権が敷かれていた。
自由を得るため、村民のしょうたろうとマサキは村長ミカの暗殺を計画する。
しかし村の掲示板を使って行われたやり取りは、いとも簡単に村長サイドに漏洩する。
しょうたろうは、ミカの手先であるキスショットの罠にかかり核兵器を発射する寸前だったが
姿を消していたマサキが間一髪彼を救う。
マサキは村長の根城である市役所に侵入し、金を盗んで豪遊すると同時に
敵の彼らを手玉に取った恐ろしい計画を知る。
彼女達は財を絞りつくしすぎて疲弊した村民達を核で一掃。
その後同じ場所に新たに村を築き、悲劇から復活した村として名を馳せ
新たにやってきた動物達から再び苛烈な税を強いる、という悪魔のような計画であった。

ミカとキスショットの虐殺を止める事ができるのか?
物語は最後の戦いへ向けて、今加速する。






まずい事になった。
奴らが隠していた 核のスイッチを 
たぬきがみつけて 売ってしまった。
豚が買って行ったらしい。
早く探さなくては。ノリで押されたら この村が地図から消えてしまう。


豚の野郎、Wi-Fiでどこかの村に遊びに行ったらしい。
奴等も追っているはずだ。
俺も行く。お前は村長をやれ。
ん? なんか体が濡れている?
あれ・・なんだこれ・・・血?


腹を貫かれた。内臓的なものが 引くくらい痛い。
敵はすごい早い。
なんかビュンビュンいって動きながら殴打してくる。
ここに書き込みながら戦うのは辛いぜ。



なんとか敵を惨殺した。
しかし俺も脳みそが出ている。
村長は市役所地下にある 核シェルターにいるはず
ハッキングして 扉を開ける。
決着をつけてくれ。



わかった。俺がシェルターに入ったらハッキングで 扉をロックしてくれ。
奴を一瞬でもいいから 足止めできれば。
全部終わらせてくる。
飛び出た脳みそ大事にしろよ。




私は死ぬ。
その前にミカに伝えなきゃ。
奴は以前 爆破未遂時に用意した 爆薬を持って
シェルターに 突撃するつもりよ。
クハハ、この時代とも別れの時が近い。
アバヨ!!


次々と倒れていく戦士達。
次回驚天動地の最終回予定。
[ 2012/11/28 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話4(2012/11/22) 


(ゴッサム村にできた噴水前で佇むしょうたろうくん)


ゴッサム村にある掲示板を使って、村長暗殺が計画されたが実行を前に混乱する革命軍。
彼らに頼らず一人戦う事を決めるしょうたろう。
しかしそんな彼を屈強な警官達が襲う。
追い詰められたしょうたろうは大掛かりな暗殺計画を企てるが失敗に終わる。
そんな中、革命軍リーダーマサキからの連絡が途絶えてしまう。
途方に暮れるしょうたろうの前に謎の女が現れた。
彼女は敵か味方か。
自由をめぐる戦いは今、最高潮へ。






あなたは そこら辺の無職より 能力がないわ。
そんなあなたでも スイッチひとつで 簡単に革命成功できちゃう。
そうよ、核兵器をあなたにあげる。



あなたが核を撃って 革命する事に意味がある。
私がやればそれはただの虐殺よ。
スイッチはたぬきの店の裏に隠しておいた。
さぁ、革命を。



え? なにこれ? 怖い。
核とか撃ったら 歴史にその名を残す 犯罪者にならないかな?
う~ん・・・まぁ、村を救うためだし 犠牲も止む無しか☆



騙されるな。敵の目的は
お前に核を撃たせて 罪を着せる事だ。
連絡が遅くなったのは 市役所に侵入して 
盗んだ金で豪遊していたからだ。
すまん。



奴らの目的は 税を搾り取りにくくなった村民を 核で一掃。
新たに村を築き 重税で大儲け。
畜生共は 核とか税とか理解してないからな。




スクショの撮り方がついに判明。
ゴッサム村の近況もあわせてお送りしていきたいと思います。
というところで続く。
[ 2012/11/22 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話3(2012/11/16) 



ゴッサム村にある掲示板を使って、クーデターが計画される。
就任後、脊椎反射で村民に毎日1万ベルの税金の納付を義務付け
圧政を強いる極悪村長ミカにマサキとしょうたろうが立ち向かう。
しかし、計画実行を前にしょうたろうの相棒フィリップが何者かに襲われる。
革命軍内に内通者の存在を疑うしょうたろう。
物語は急転直下で動き出す。

(画像はマイデザインのアイアンマン MARK 6)




そんな馬鹿な。内通者などいるわけがない。
なぜなら俺の協力者は お前達 二人だけなんだ。
あとは 動物しないないから。



誰が裏切ったんだ。どうすればこの村を救える。
俺は一人でもやるぜ。
ナイフ1本で市役所に突入だ。
だいぶ 多めに 殺ってやる。


朝起きたら屈強な警官に囲まれていた。
計画がバレているとかいうレベルじゃなかった。
驚きすぎて色々出た。
何とか逃げてきたがどうすればいい?



赤い陸橋を爆破しようとしたが 奴は
Wi-Fiを使いこなせないので 電車に乗らず 村に引きこもっている。
また失敗だ。
なぜ返事をくれない? まさか捕まったのか?



うふふ、かわいい坊や達ね。
そんな計画じゃ、乳児すら仕留めきれないわよ。
私に忠誠を誓いなさい。
深遠なる闇 悔恨たる世界 絶望を終天へ




相変わらずスクショの撮り方すらわからず進むストーリー
次回へ続く。
[ 2012/11/16 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)

とびだせどうぶつの森の話2(2012/11/13) 



~ ゴッサム村ニュース ~

このたび ゴッサム村に
ミカ村長が 就任されました!
新しい 村長による
村おこしに ご期待ください!



ミカは村長に相応しくない。
クーデターだ!!



クーデターの首謀者、マサキを捕まえろ!!
惨殺じゃーーーーーーーーーーーー!!



俺は街外れの崖にテントを張っている。
協力者を歓迎する。
村長の圧制を許すな。
剣を持て、今こそ革命だ。



俺も乗るぜ、その革命に。
こんな腐敗した村は もうごめんだ。
銃火器を やたらめったら持って行くぜ。
うまくいったら うまい酒でも 飲もうぜ。



やられた 相棒のフィリップが 襲われた。
作戦がばれていたんだ。
俺達の中に内通者がいる。
俺はそいつを許さない。



ゴッサム村にある掲示板を使って行われる緊迫のやりとり。
3DSを買いたてでスクショの撮り方とかあるのかもよくわからないまま
とにかく見切り発車で始まって、次回に続く。
[ 2012/11/13 00:00 ] 掲示板シリーズ | TB(0) | CM(0)
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